保線路付近から西赤石山を見る。 |
歩行距離 | 9.6km |
所要時間 | 6時間05分 |
累積標高差 | (+) 1180m (-) 1180m |
コース |
東平駐車場07:20 → 銅山ヒュッテ08:40 → 銅山越09:25 → 1482m →
西赤石山11:00 → かぶと岩:11:30 → 一本松12:55 → 東平駐車場13:25 |
四国の山旅 4日目 2016.5.04 西赤石山(1625.7m)
四国の山旅も今日で4日目になる。06:20道の駅「マイントピア別子」を出発する。天候は昨日とうって変わって快晴だが強風が吹いている。県道47号線から東平(とうなる)に向かう狭く急カーブが続く5.5kmの山道に入る。慎重に運転して、東平(とうなる)歴史資料館のある広場の駐車場に到着する。そこは登山者の車の駐車は禁止されている。
標高800m付近にある周辺の東平地区は1916−1930年まで別子銅山採鉱本部が置かれていた。当時は鉱業に従事していた多くの人々とその家族が暮らす天空の街があった。麓の新居浜とは索道で結ばれ、採掘された銅や生活物資を運んでいた。今では周りは緑に包まれており、以前この一帯に街が存在していたのがうそのようだ。歴史資料館の奥の登山者用の駐車場に車を停める。ゴールデンウイーク中だからだろうか20台ほどの車が駐車している。
出発準備を整えていると、家族ずれの中高年男性が道を聞いてくる。自分もここから登るのは初めてだが、ガイドブックを見せて説明する。昨日はここの駐車場で車中泊をしたが
朝起きたらタイヤのひとつがパンクしていたという。誰かにイタズラされたのだろうか・・・。
いつもながら初めて登る道の山は、少しの不安がつきまとう。頼れるのは自分だけだ。入念に準備を整え歩き出す。指導標に従い第三変電所跡の方向の舗装道を歩き、頑丈な鉄柵が取り付けられた谷沿いのトラバースの道を進む。第三変電所跡の広場の先に分岐があり、坑道跡がある右の方の柳谷コースの道から登ることにする。
左手に滝が流れる川沿いの荒い石畳の道を歩いていく。空気は肌に冷たく澄んでいる。道はジグザグになり住居跡の石垣が続く。こちらの登山道から登る登山者はおらず、少し寂しい。人が住んでいたころ、この道は生活と鉱山の道だっただろう。道幅が広くしっかりとしている。馬の背コースの分岐を過ぎ道は少し傾斜を増してくる。鉄橋を渡り渓谷を横切る。幅の広い登山道を快調に登っていき分岐点に達する。左側の道は、崩壊により通行止めになっている。その道には、昔、上部鉄道という山岳鉄道がありこのすぐ先の角石原から石ヶ山丈というところまで線路が敷かれ、蒸気機関車が走っていたという。
指導標に沿いに銅山ヒュッテの方向に進む。平坦な道を進むと左手に第一通洞があり、その右側の広場に銅山ヒュッテが見えてくる。営業はしてないようでひっそりとしている。ヒュッテの前のにあるベンチに座り小休止する。眼下には新居浜の街と瀬戸内海の景色が広がる。
説明によればこの周辺には、明治時代に角石原選鉱場と焼鉱場があったという。新居浜にあった精錬所での煙害問題が深刻化したので、この一帯の山肌に焼鉱炉と選鉱場を造り、硫黄分取り除く作業をしていた。当時の写真を見ると緑のない剥き出しの山肌にその建物が並んで建っており、今の景色からは想像もつかいない風景である。
ヒュッテの前から真っ直ぐに延びる松林の道の先にある分岐を銅山峰方向に登っていく。道幅は狭くなり急登になる。墓地のある付近で道標のない分岐があり、右の方向に進んでしまう。その上りの道は、後で気づくが送電線の保線路で、急登を登り切ると送電線の鉄塔が立つ尾根に出る。
鉄塔のすぐ先に尾根沿いの縦走路があり、左に折れ銅山越があると思われる方向に進む。前方に西赤石山とそれ続く稜線が見えてくる。絶景だ。すぐ先に石垣に囲まれた祠が見えてくる。銅山越(標高1294m)に達する。
1702年にこの道ができ、明治19年に銅山ヒュッテの近くにある第一通洞が開通するまでの184年間、中持人夫が粗銅や食料を背負いここを往来した。風雪の厳しさにより行き倒れる者もあった。銅山越の祠はその無縁仏を祀ったものである。
景色を楽しみながら尾根ずたいに稜線を歩いていく。しだいに急登になりツツジの花を見るようになる。岩場の混じるいくつかのピークを越え
る。背後には、平家平、冠山、ちち山がその右には石鎚山が見える。素晴らしい風景だ。
中国山地の山々ではあまり感じることのない険しさがある。
最後の岩稜を乗り越え西赤石山に達する。山頂には20人ほどの人がいる。山頂の東側に行くと、稜線の縦走路で続く物住頭、前赤石山、東赤石山が見える。西の端から新居浜市街地と瀬戸内海の眺望が広がる。三角点のそばの岩の上に腰をおろし弁当タイムにする。
山頂すぐ手前にあるロープの張ってある急坂を下り兜岩方向に下山を始める。大きな岩が
折り重なったかぶと岩まで下る。岩々の上には大勢の人が弁当を広げている。振り返ると西赤石山の北側斜面がアケボノツツジの花で一面ピンク色に染まっている。特徴的で可憐なその花々は美しく実に見ごたえがある。
かぶと岩の上で一時道を見失うが、岩のすぐ下にある登山道を見つける。かぶと岩細い急坂の道を下っていく。昔上部鉄道が通っていたと思われる広い道にでる。途中に5mの鉄橋があった思われる場所にさしかかる。今は手すりの無い鉄製の橋が架けられている。慎重すぎるが落ちそうで怖いので四つん這いになって渡る・・・。
沢が流れる岩場まで来たところで家族ずれと一緒になる。出発する時に話をした中高年男性とその家族の一団であった。広い道を並んで歩きながら山の話をする。自分とほぼ同じコースで西赤石山に登ったという。昨晩、因島の瀬戸田から東平の駐車場に到着し、車(トヨダハイエース)の中で車中泊したとのこと。おじいさんも加わり3人の子供達みな家族仲がよさそうでうらやましい。我ふるさと萩にも観光に来たことがあるそうだが、ホテルの対応が悪く朝出発する時誰も見送ってくれなかったと言う。旅で気分の悪い思いするといつまでもイメージとして記憶に残る。萩の人間として少し残念だ・・・。
家族の一団を追い越して出発点の駐車場まで下る。
西赤石山は、歴史と花と展望の素晴らしい山であった。明日はどの山に登るか車を走らせながら決めることにする。
結局、明日は石鎚山の南側にある岩黒山・筒上山に登ることに決める。一旦、新居浜まででて国道11号線を経由して国道194号線に入り、道の駅「木の香」まで移動する。道の駅の駐車場は満車状態で、道路脇のスペースに車を停める。道の駅「木の香」には温泉が併設されており早速温泉に浸かり汗を落とす。今日で車中泊4日目、少し疲れがでてきた。昨晩寝袋によく包まってて寝なかったので風邪をひいてしまったようだ(実は肺炎にかかっていた。)・・・・。明日も頑張ろう・・・。
県道47号線沿いに東平(とうなる)入口を左に折れる。 |
歴史資料館の先の登山者用の駐車場に車を停める。 |
第三住宅の跡・大正時代9個の住宅あった。 |
第三通洞そばの案内板 |
大きな滝がある。 |
ジグザグの幅の広い道を行く。 |
分岐点を通過する。山岳鉄道があった。 山岳鉄道のトンネル跡(第一通洞) |
銅山ヒュッテ・山岳鉄道の駅舎の跡地 ↑銅山ヒュッテを後にする。 |
すぐに銅山峰に向かう分岐がある。 ↑途中道を墓地のある分岐左に行き送電鉄塔保線路に入ってしまう。 送電鉄塔保線路の急登を登る。→ ← 銅山ヒュッテの先に進む。 |
何とか尾根にでて左に折れ銅山越方向に進む。 |
すぐに銅山越に達する。 |
銅山越にある石垣に囲まれた祠がある。 | ・・・ツツジ |
西山方向を振り返る。 |
天満山を通過する。 |
歩いてきた稜線を振り返る。ちち山が見えてくる。 |
東山(1392m)を通過する。 |
銅山ヒュッテに下りる近道がある。 |
・・・ |
華やかなアケボノツツジが咲いている。 |
↑沓掛山(1691m)と黒岩山(1678.4m)がに見える。 ← 岩場を越えていく。数回ピークを越えても山頂に着かない。 |
背後に絶景がが広がる。平家平、冠山、ちち山等を見る。 |
ようやく西赤石山山頂に達する。 |
山頂の先には東赤石山への縦走路がある。 |
山頂の手前にある真鍮レリーフの標識 |
西赤石山山頂付近から見る西方向の山々。 西赤石山山頂付近から見る東方向の山々。 |
↑下山は山頂の直ぐ手前のかぶと岩の方向に下る。 ロープの張ってある急坂を慎重に下る。→ |
たくさんのアケボノツツジが咲く。 ↑かぶと岩の上に登る。 |
稜線の北側斜面はアケボノツツジでピンク色に染まる。 |
西赤石山の北側斜面はアケボノツツジでピンク色に染まる。 |
分岐を一本松方向に下る。 |
渓谷の道を下る。 |
昔の鉄道の橋があった。 |
手すりがない( ^ω^)・・・ |
第三通洞変電所跡まで下る。 |
無時駐車場に帰着する。駐車場は車でいっぱいだ。 |
☆パノラマ(写真をクリックすると拡大写真が出てきます。)☆
銅山越に向かう尾根道から西山(1428.7m)を振り返る。 |
天満山付近から西山とツナクリ山を振り返る。 |
天満山付近から西赤石山の稜線を見る。 |
西赤石山山頂に向かう登山道から西側の山々を見る。 |
西赤石山山頂に向かう登山道から西側の山々を見る。 |
西赤石山付近から東赤石山方向の稜線を見る。 |
西赤石山から新居浜市街地と瀬戸内海を見る。 |
四国の山旅の記録B 岩黒山・ 筒上山 2016.5.05 に続く
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